遠隔作業支援とは?活用シーンやメリット、導入方法を解説

2021/09/27
遠隔作業支援とは?活用シーンやメリット、導入方法を解説

近年、さまざまな現場において、少子高齢化による労働力人口の減少や熟練者の高齢化による技術継承が課題となっています。そういった課題を解決する仕組みとして、「遠隔作業支援」が注目されています。ここでは、遠隔作業支援とはどういったものか、活用シーンやメリット、導入方法についてご紹介します。

遠隔作業支援とは?遠隔作業支援の活用シーンやメリット

遠隔作業支援とは、ネットワークを介して双方の音声や映像を共有し、現場にいる作業員を離れた場所から遠隔でリアルタイムで支援を行うというものです。遠隔作業支援の仕組みを活用することで、管理監督責任者や熟練指導者は現場に赴くことなく、現場の状況確認や現場の作業員への指示・伝達を行うことができます。

労働力人口の減少や高齢化が課題となる中、生産性向上・作業効率向上・品質維持への対応を実現する仕組みとして、この遠隔作業支援が大きく注目されています。

現状の課題

どういった現場の課題に対して、遠隔作業支援が活用されるのでしょうか。現場が抱えているよくある課題をご紹介します。

熟練者の不足などによる人手不足・属人化

少子高齢化によって労働力人口が減少する中、熟練者の退職などにより、現場の人材不足や技術継承が大きな課題となっています。人手不足で余裕がない中では技術伝承や若手のスキルアップの機会が十分に確保できず、ノウハウの属人化に課題を抱えています。

現場への移動などによる非効率性

建設現場などでは、責任者が複数の現場を回って進捗状況の確認や指示、技術指導などを行っています。何度も現場に赴いたり、現場間を移動したりする必要があるため、膨大な労力と時間が掛かってしまいます。そのため、効率的な現場管理が行えないという点が課題となっています。

トラブル対応がスムーズに行えない

現場で問題が発生した際は、写真を撮ってメールで送付しその後電話で状況報告を行う、離れた場所にある現場事務所に戻り責任者に指示を仰ぐ、責任者が現場に赴いて確認する、といった形が一般的となっています。しかしそういった手段には時間のロスが発生するだけでなく、伝えられる情報にも限界があるためトラブル対応がスムーズに行えないという課題があります。

遠隔作業支援の活用シーン

遠隔作業支援の活用シーン

遠隔作業支援は、特定の業種・規模に限定されることなく、さまざまなシーンで活用することができます。最初は建設系の現場で活用されることが多かった遠隔作業支援ですが、その有効性の高さから、今では工場などの製造現場、設備の保守点検現場、医療現場などでも活用されています。

遠隔作業支援のソリューション事例

具体的な遠隔作業支援のソリューション事例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 建設現場の進捗確認などを、離れた事務所から監督者が遠隔で行う
  • 製造ラインの故障などが発生した際、遠隔から現場の状況を確認し、迅速な解決に向けての支援を行う
  • 設備の保守・点検作業を遠隔から支援、現場出動人数を最小限に抑える
  • 若手作業員の作業の様子をリアルタイムに確認し、熟練者が遠隔から技術指導などを行う
  • 医療現場における技術支援や診療サポートを遠隔から行う

いずれも現場の人手不足解消や業務効率化に役立てることができ、現場が抱える課題を解決できるソリューションとして、業種を問わず広く活用することが可能です。

遠隔作業支援の導入メリット4つ

遠隔作業支援は、現場の人手不足解消や働き方の改善に役立つ仕組みですが、導入することによって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。遠隔作業支援の4つの導入メリットをご紹介します。

現場の作業効率改善・生産性向上

遠隔作業支援の導入メリットの一つ目は、現場の作業効率改善や生産性向上が実現できるという点です。これまでは、現場の責任者や熟練者が現場に出向いて進捗確認や作業指示を行うことが前提となっており、膨大な労族や時間が掛かってしまっていました。

遠隔作業支援ツールを導入することで、現場作業員と指示者は離れた場所同士であってもリアルタイムにコミュニケーションを取ることができるようになります。現場への移動時間や待機時間が大幅に削減できることで、作業効率の改善や生産性の向上を実現することができます。

トラブル発生時のダウンタイムの短縮

これまではトラブルが発生した際、メールや電話での報告、現場から事務所に戻って責任者に指示を仰ぐ、責任者が現場に駆け付ける、といった対応が一般的であり、そこには移動時間や待機時間のロスが発生していました。

しかし、遠隔作業支援ツールを導入すれば、現場作業員も現場責任者もその場を離れることなく、即座に対応を行うことができます。また、現場の映像をリアルタイムで確認できるので、口頭での報告よりも正確に現場の状況を把握することができ、適切な判断や指示を行うことができます。このように、トラブル発生時のダウンタイムを大幅に短縮することができる点も遠隔作業支援の導入メリットです。

技術継承や若手の育成

遠隔作業支援は、熟練者からの技術継承、若手作業員の育成という点でも大きなメリットがあります。
現場作業のリアルタイムな映像を見ながら音声のやり取りができることで、熟練者が現場にいなくても遠隔で作業の支援を行えるようになります。現場の若手作業員も、何かわからないことや困ったことが発生した場合でもすぐに映像と音声で指示を受けることができ、これまでは複数名で対応を行っていた現場にも若手作業員が一人で対応できるようになります。一人で現場を経験する機会を増えることで、若手作業員の育成にも役立ちます。

教育ツールとしての活用

例えば、熟練者しか立ち入ることができない現場での作業の様子を、遠隔作業支援ツール越しに離れた場所から若手作業員がリアルタイムに確認することができます。リアルな現場の状況や熟練者の手元作業の様子を学ぶことができ、若手作業員の研修に非常に有効です。また、遠隔作業支援ツールには録音録画の機能が搭載されているので、作業の様子を動画として保存しておくことで、社内の教育ツールやマニュアルとしても活用することができます。

遠隔作業支援の導入方法やポイント、活用事例

遠隔作業ツールを利用するためには、コミュニケーション部分を担う「Web会議システム」と、それを現場で使うための端末として、「スマートグラス(ウェアラブル端末)」もしくは「スマートフォン・タブレット端末」をセットで導入します。具体的な導入方法やポイント、活用事例をご紹介します。

遠隔支援を行う際に必要なもの

遠隔支援を行う際に必要なもの

遠隔作業支援は、そういった名称の機材があるわけではなく、音声と映像のコミュニケーションツールであるWeb会議システムと、それを使う端末とを組み合わせることによって実現する仕組みです。

Web会議システム

Web会議システムは、インターネット回線を用いて離れた場所にいる人同士がリアルタイムに音声・映像・資料などのやり取りができるシステムです。これを遠隔現場支援で用いることで、現場に赴くことなく離れた場所から現場の状況をリアルタイムに把握することできるようになります。離れた場所からでも的確な指示を行えるとともに、現場の作業員をサポートすることができるようになります。映像と音声でコミュニケーションが取れるWeb会議のリアルタイム性は、遠隔現場支援で必須といえます。

インターネット回線(モバイルWi-fiなど)

Web会議システムを利用するためには、インターネット回線が必要です。指示者側は本部や事務所から接続するので、社内のネットワーク回線などを利用できれば問題ありません。現場ではスマートグラス(ウェアラブル端末)などの端末を利用するため、その端末がインターネットに接続できるモバイルWi-fiなどの環境が必要となります。

情報共有に使用する端末

遠隔作業支援では、指示者側と作業者側(現場側)で以下のような機器を利用します。

●指示者側:パソコンもしくはスマートフォン・タブレット端末
指示者側は社内や事務所から接続するので、Web会議システムに接続する端末としてはパソコンを利用することが一般的です。もちろん、スマートフォンやタブレット端末に対応しているWeb会議システムであれば、それらを活用することも可能です。
●作業者側:スマートグラス(ウェアラブル端末)、スマートフォン・タブレット端末
作業者側は現場で使用するため、携帯性に優れているスマートグラス(ウェアラブル端末)やスマートフォン・タブレット端末を利用します。スマートグラス(ウェアラブル端末)とは、メガネ型のウェアラブル端末の総称であり、メガネのように頭部に装着して使用することができる端末です。そこにはカメラやマイク、GPSなどの様々な機能を搭載しおり、実際に見ている光景に文字や資料など様々な情報を重ねて表示できるものが一般的です。スマートグラス(ウェアラブル端末)は、両手を空けたハンズフリーの状態でやり取りができるので、作業を妨げず利用できるというメリットがあります。

遠隔作業支援をスマートグラス(ウェアラブル端末)で実現!

遠隔作業支援の導入方法とは

実際に遠隔作業支援ツールを導入するにあたっては、大きく4つのステップがあります。

ステップ1:使用する現場と作業内容、支援したい内容を精査する

まずはどういった現場で誰が使用するのか、どういった支援を行いたいかなどを精査します。抱えている課題に対して遠隔作業支援が有効な仕組みとなり得るかどうかを明確にすることで、導入効果も得やすくなります。

ステップ2:運用に合った端末やソリューションの選定を行う

使用したい作業内容・支援内容が明確になれば、次はそれに対して必要な端末やソリューションを選定します。特に、現場で使用するスマートグラス(ウェアラブル端末)は端末によって価格やスペック、使用感なども大きく異なるため、自社の運用にあった端末を選定することが重要です。

ステップ3:実際に作業現場で試行し、使用感を確かめるとともに課題などを洗い出す

導入前には、必ず実際の作業現場で試行するようことをおすすめします。現場側は作業をしながら遠隔作業支援ツールを使用することになるので、端末を装着した状態でスムーズに作業ができるか、音声や映像のやり取りに問題がないかなどを事前に確かめておく必要があります。

ステップ4:導入後は、随時運用の改善を行っていく

導入後は、実際に使用しているメンバーから感想や意見をヒアリングするなどして随時運用の改善を行っていくことも大切です。そうすることで、より有益なツールとして活用できるようになります。

遠隔作業支援の活用事例

遠隔作業支援を活用し、現場の作業効率化や人手不足などの課題を解決した実際の活用事例をご紹介します。どのような課題を抱えていて、それを遠隔作業支援ツールでどのように解決したかに注目していただければ幸いです。

難易度の高いロープアクセスの現場を遠隔から支援している事例

中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社様

中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社様

スマートグラス×LiveOnでロープアクセスの点検現場を遠隔支援!
ロープアクセス手法を用いる現場において、スマートグラスのRealwearとLiveOnのウェアラブルアプリを組み合わせ、遠隔現場支援やOJTで活用しています。作業中に無線を取り出さずに会話ができるため、作業時間の短縮に繋がっています。また、常に複数の現場とオフィスが映像と音声でリアルタイムに繋がっているため、オフィスから簡単に現場の状況を確認することができ、情報共有のスピードも格段に速くなりました。

遠隔作業支援ツールで、作業品質を落とさずに現場作業の効率化を実現した事例

株式会社オプテージ様

株式会社オプテージ様

遠隔支援ツールの活用で、作業品質を落とさずに現場作業の効率化を実現!リアルタイムに遠隔で作業支援・工事立会が行えることで、現場への移動時間・出動回数を削減することができました。
また、立会・検査においても、重要な工事や配慮が必要な箇所に対し、その都度必要な指示・フォローを行うことができるようになり、現場対応のスピードアップ・業務の効率化はもちろんのこと、品質面の向上にも寄与しています。
LiveOnは通信の安定性はもちろんのこと、高精細な映像を送信でき、遠隔でも正確な判断や支援が行える品質が選定の決め手でした。

遠隔作業支援なら、国産・高品質のLiveOn!

遠隔作業支援なら、国産・高品質のLiveOn!

遠隔作業支援ツール「LiveOnWearable」は、Web会議システム「LiveOn」とスマートグラス(ウェアラブル端末)を組み合わせて実現する遠隔作業支援の仕組みです。大手企業や官公庁などに多数導入されているWeb会議システムをベースとしていることから、高い品質と使いやすさを実現しています。

現場では端末の電源を入れるだけ!複雑な操作が一切不要

LiveOnなら、現場にいる作業員はスマートグラス(ウェアラブル端末)の電源を入れるだけで接続が完了します。現場での複雑な操作は一切不要です。また、手を使って操作を行う必要がないため、作業を止めることなく使用することができます。

どんな環境でも安定して使える品質の高さ

作業現場は山間部や河川沿いなど環境が様々です。LiveOnは独自のデータ圧縮技術により音声の途切れや遅延を回避し、モバイルの不安定な環境下でも安定したやり取りが可能です。また、自動再接続機能を搭載しており、もし通信が瞬断してしまっても自動で復帰することができるようになっています。

国産・完全自社開発だからできるスピーディーな開発と充実のサポート

LiveOnは国産の完全自社開発で提供している製品です。その強みを活かし、お客様の要望を迅速に製品に反映し、定期的にアップデートを実施しています。また、自社開発製品だからこそ、専門の技術スタッフがすぐに対応することができ、操作や運用のサポートも即座に行うことができます。

実機を用いたデモンストレーション、無料トライアルも受付中!

スマートグラス(ウェアラブル端末)を実際に使ったデモンストレーションはもちろん、端末のお貸出しや無料トライアルも受付中です。実際の現場で試してみることができるので、安心してご導入いただけます。対応機種・価格などについてもお気軽にお問い合わせください。

まとめ

労働力人口の減少や高齢化による熟練技術者の不足などにより、製造・保守・建設・医療などさまざまな現場において、生産性向上・作業効率向上・品質維持への対応が急務となっています。5G環境やスマートグラス・ウェアラブルデバイスの普及も後押しとなり、「遠隔作業支援」の仕組みは今大きく注目されています。現場の課題解決に役立つ「遠隔作業支援」をぜひご検討ください。

著者情報 著者情報:ジャパンメディアシステム ジャパンメディアシステム

ジャパンメディアシステムは、企業のコミュニケーションを支えるビジュアルコミュニケーションシステム「LiveOn」を提供し、場所や時間に縛られない働き方の実現を目指しています。

Web会議システム LiveOn(ライブオン)は、クラウドアワードなど多数の賞を受賞。高音質・高画質でストレスのないWeb会議を実現をします。今ならWeb会議を無料トライアル実施中!お気軽にお問い合わせください。

「遠隔作業支援とは?活用シーンやメリット、導入方法を解説」のページです。Web会議・テレビ会議システムならLiveOn(ライブオン)。クラウドアワードなど多数の賞を受賞。高音質・高画質でストレスのないWeb会議を実現。今ならWeb会議を無料トライアル実施中!お気軽にお問い合わせください。

カテゴリー別PickUP記事

Web会議システム LiveOn(ライブオン)は、クラウドアワードなど多数の賞を受賞。高音質・高画質でストレスのないWeb会議を実現をします。今ならWeb会議を無料トライアル実施中!お気軽にお問い合わせください。

すべての機能を14日間無料でお使いいただけます。

14日間無料トライアルのお申込はこちら

ご相談やお見積りなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ・資料請求はこちら

PAGE TOP