人手不足や技術継承などの様々な課題を抱える工場や製造現場においては、課題解決や生産性向上のためにDXの推進が重要となっています。工場や製造現場におけるDX実現に大きく役立つ仕組みのひとつが、AR技術やスマートグラスを活用した「遠隔作業支援システム」です。
DX化が積極的に推進され、AR技術やスマートグラスなどが導入される背景には、工場・製造現場が直面している課題があります。
少子高齢化による労働人口の減少や、製造業からの労働者の流出により、工場や生存現場で働く十分な人材確保が困難になっています。高齢化や定年退職などに伴って熟練作業者が不足することで、現場での作業品質の維持が難しくなっています。
人手不足が顕著な現場では現場を回すことが最優先となるため、若手作業員への教育や人材育成がどうしても後回しになってしまいます。また、少ない熟練者で現場対応を行う必要があるため熟練者への負担も大きく、技術継承のための時間を十分に取ることができないといった課題があります。
新型コロナウイルスの感染拡大によりグローバルな企業活動や人の往来が制限され、世界情勢や市場動向が急激に変化しました。必要な部品が入手困難になったり、原材料が高騰したりという不確実性が高まる中で、工場や製造現場ではそういった変化への素早く適切な対応が求められています。限られた資産を効率的に使い、迅速に対応するためにはDXは欠かせないものとなっています。
工場や製造現場のDX化推進として活用されているのが、AR技術やそれを搭載したデバイスです。ARはデバイスとソフトウェアを利用することで、現実世界に仮想的な情報を付加することのできる技術の総称であり、さまざまな領域で活用されつつあります。特に、両手を使って作業をする必要がある工場や製造現場においては、作業者がスマートグラスを装着することで離れた場所にいる支援者とコミュニケーションが取れたり、資料やマニュアルを目の前に表示しながら作業したりできるようになります。
工場・製造現場が直面する課題を解決し、DXの取り組みとして近年導入が進んでいるのが、スマートグラスを活用した「遠隔作業支援」ソリューションです。遠隔作業支援とはどういった仕組みなのでしょうか。
遠隔作業支援とは、ネットワークを介して双方の音声や映像を共有し、現場にいる作業員を離れた場所から遠隔でリアルタイムで支援を行う仕組みのことを指します。
まず、遠隔作業支援の仕組みに必須な端末が、「スマートグラス」です。スマートグラスとは一般的に、通信機能やセンサー、カメラ・マイク・スピーカー、ディスプレイなどを備えたメガネ型のウェアラブルデバイスのことです。
スマートグラスは、視野を確保しながらハンズフリーで作業ができることに大きなメリットがあり、産業向けに実用化が進んでいます。産業用のスマートグラスでは、マニュアルを見ながら作業ができるディスプレイや、カメラのズームなどの機能が搭載されています。
また、屋外の作業現場でも利用できるように防水・防塵性を備えている端末もあります。
遠隔作業支援システム自体は、スマートグラス単体で実現できるわけではなく、スマートグラスに音声と映像のコミュニケーションツールであるWeb会議システムなどをインストールし、それらを組み合わせることによって実現する仕組みです。
スマートグラスを活用した遠隔作業支援は、現場の人手不足解消や生産性向上などに役立つ仕組みですが、導入することによって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。遠隔作業支援の具体的な導入メリットをご紹介します。
スマートグラスを活用した遠隔作業支援の導入で実現できるもっとも大きな効果は、現場の作業効率改善や生産性向上が実現できるという点です。これまでは、現場の責任者や熟練者が現場で進捗確認や作業指示を行うことが前提となっており、移動時間や待機時間といった無駄が発生している状態でした。スマートグラを活用すれば、指示者も作業者もそれぞれの場所から移動することなく、リアルタイムにコミュニケーションを取ることができるようになります。現場の負担軽減はもちろんのこと、熟練者の拘束時間も削減でき、作業効率化や生産性の向上に繋がります。
離れた場所から現場の管理や作業支援ができる遠隔作業支援システムがあれば、現場への移動時間を大きく削減することができます。それにより、ひとりの熟練者が複数の現場を管理することができるようになります。現場の負担が減り、作業効率化・生産性の向上が実現できることで、教育・育成の時間を確保することができます。
遠隔作業支援は、熟練者からの技術継承、人材育成という点でも大きなメリットがあります。
現場作業のリアルタイムな映像を見ながら音声のやり取りができることで、熟練者が現場にいなくても遠隔で作業の支援を行えるようになります。現場の若手作業員も、何かわからないことや困ったことが発生した場合でもすぐに映像と音声で指示を受けることができ、これまでは複数名で対応を行っていた現場にも若手作業員が一人で対応できるようになります。一人で現場を経験する機会を増えることで、若手作業員の育成にも役立ちます。
工場や製造現場でトラブルが発生した場合、責任者が現場に駆け付ける、現場から事務所に戻って指示を仰ぐといった対応が一般的であり、そこには移動時間や待機時間のロスが発生していました。スマートグラスを活用した遠隔作業支援を導入することで、現場作業員も現場作業員も現場責任者もその場を離れることなく、即座に対応を行うことができるようになります。また、現場の映像をリアルタイムで確認できるので、口頭での報告よりも正確に現場の状況を把握することができ、適切な判断や指示を行うことができます。このように、トラブル発生時のダウンタイムを大幅に短縮することができる点も遠隔作業支援システムの導入メリットです。
スマートグラスを導入すること自体に特筆すべき大きなデメリットはありません。ただ、スマートグラスやそれを活用した遠隔作業支援ツールは、インターネット回線を用いて接続するため、通信環境の悪い場所では安定した品質で利用できない可能性があります。事前に試行を行うなどして、使用環境や品質を確かめておく必要があります。
遠隔作業支援システムは、実際に体感することでイメージを持っていただきやすい製品です。
製品のご説明とともに実機を用いたデモンストレーションを行わせていただきます。
必要なライセンス数や端末の台数、ご予算などをヒアリングし、お見積りをご提示いたします。
お申込みいただいたのち、LiveOnのライセンスとキッティング済みのスマートグラス(ウェアラブル端末)※を納品いたします。端末が到着すればすぐにご利用可能です。導入後も、運用定着に向けて操作説明などのサポートをさせていただきます。
※キッティング作業をお申込みいただいた場合のみ
スマートグラスによる遠隔作業支援を保守・メンテナンス現場で活用している事例をご紹介します。
アイスクリームなどの食品の製造加工を行っているメーカーでは、工場内の製造ラインなどの設備トラブル対応にスマートグラスによる遠隔作業支援を活用しています。
夏季の繁忙期に設備トラブルなどによって製造ラインが止まり、製品が作れないことは損失に直結するため、いかに迅速に製造ラインを復旧させるかが課題となっていました。そこで、スマートグラスによる遠隔作業支援を導入し、トラブル発生時にその場ですぐに状況を確認し、現場への指示などを行える体制を構築しました。
スマートグラスは、-20度から50度内で利用が可能なリアルウェア社のHMT‐1という耐久性の高い端末を導入することで、アイスクリーム工場のような超低温という過酷な環境でも、安定して利用することができます。
製造現場の生産性向上や業務効率化への取り組みが求められる中、工場のDX推進の一環として現場にスマートグラスを導入、遠隔作業支援ツールとして活用しています。
工場内では製造現場を担当する保全作業員がスマートグラスを装着し、遠く離れた本社と接続、本社では作業員のスマートグラス越しの現場映像をリアルタイムで確認することができます。現場の作業員は本社からの指示をスマートグラス越しに聞き、指示に従って作業を行います。スマートグラスは頭部やヘルメットに装着できるため、本社からの指示を聞いたり、スマートグラスの画面越しに資料を見たりしながら、ハンズフリーで作業を行える点が大きなメリットです。
ここまでご紹介したように、スマートグラスとそれを活用した遠隔作業支援システムは、工場や製造現場において様々なメリットを発揮します。工場や製造現場の課題解決に役立つスマートグラスと遠隔作業支援システムを、ぜひご検討ください。
ウェアラブルデバイス・遠隔作業支援ツール「LiveOn Wearable」でのご利用について
ジャパンメディアシステムは、企業のコミュニケーションを支えるビジュアルコミュニケーションシステム「LiveOn」を提供し、場所や時間に縛られない働き方の実現を目指しています。
Web会議システム LiveOn(ライブオン)は、クラウドアワードなど多数の賞を受賞。高音質・高画質でストレスのないWeb会議を実現をします。今ならWeb会議を無料トライアル実施中!お気軽にお問い合わせください。
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