遠方に住む受験生が、交通費や移動時間の負担からオープンキャンパスへの参加をあきらめてしまう。地方に住む高校生ほど、都市部の学校を実際に訪れる機会が限られてしまう――学生募集を担当する教育機関の多くが、こうした課題に向き合っています。 この記事では、こうした課題への対応策として広がっている「オンラインオープンキャンパス」について、実施形式の種類や運営時に気をつけたいポイント、システム選定の考え方を紹介します。
ここで紹介するオンラインオープンキャンパスとは、大学や専門学校が実施している学校説明会・施設見学・体験授業といった催しを、インターネットを通じて自宅などから参加できるようにする取り組みのことです。遠方に住む受験生や、日程の都合で現地開催に参加できない受験生に向けた選択肢として広がっています。
また、学校説明や施設紹介だけでなく、模擬授業や体験ワークショップをオンラインで実施する学校も増えています。実際の授業の雰囲気を事前に体験してもらうことで、入学後のミスマッチを防ぐ効果も期待できます。こうした体験型のコンテンツは、受験生の記憶に残りやすく、他校との差別化にもつながります。
対面でのオープンキャンパスを完全に代替するものではなく、現地参加が難しい受験生にも学校を知ってもらう機会を提供する、補完的な位置づけで実施されています。まずはオンラインで学校の雰囲気をつかんでもらい、関心を深めた受験生に現地開催への参加を促すという使い方をしている学校も多く見られます。
そもそもオンラインオープンキャンパスが広がっている背景には、受験生の地理的な広がりと、少子化にともなう学生募集競争の激化という2つの要因があります。少子化が進むなかで、学校は居住地を問わず幅広い受験生に自校の魅力を伝える必要があり、遠方からでも参加しやすいオンライン開催が、学生募集の重要な手段になっています。
また、保護者にとっても、子どもと一緒に遠方の学校まで足を運ぶことは、時間的にも金銭的にも負担が大きいものです。オンラインであれば、保護者も自宅から一緒に参加しやすくなり、進路選択の相談がより気軽にしやすくなるというメリットもあります。
さらに、複数の学校を比較検討している受験生にとっても、オンラインであれば移動の負担なく多くの学校の説明会に参加できるため、より多くの選択肢を比較したうえで進路を決められるようになります。学校側にとっては、こうした比較検討の段階から自校の存在を知ってもらう機会を増やせる点が重要な意味を持ちます。比較検討の早い段階で候補に挙がることができれば、その後の志望度を高める働きかけもしやすくなります。
オンラインオープンキャンパスには、主に次の3つの実施形式があります。
ライブ配信型は臨場感があり、その場での質疑応答もできる一方、開催日時が限られます。オンデマンド型は受験生の都合に合わせて視聴できる柔軟さがありますが、双方向のやり取りはできません。多くの学校では、これらを組み合わせて実施しています。
たとえば、まずオンデマンド型で学校の概要を知ってもらい、関心を持った受験生にライブ配信型の詳しい説明会への参加を促す、さらに志望度が高まった受験生には個別相談型で個別の疑問に答えるというように、段階を踏んで案内する設計にすると、受験生の検討度合いに応じたきめ細かな対応がしやすくなります。
オンラインオープンキャンパスで特に注意したいのは、説明がどうしても一方通行になりやすいという点です。対面であれば、受験生の表情や反応を見ながら説明のペースを調整できますが、画面越しでは参加者の反応が見えにくく、学校側の説明だけで時間が過ぎてしまうことがあります。
この課題への対応としては、チャット機能を使って気軽に質問できる時間を定期的に設ける、在学生に登場してもらい実際の学生生活について語ってもらうといった工夫が有効です。受験生にとって身近な存在である在学生の声は、学校案内のパンフレットだけでは伝わらないリアルな情報として受け止められます。
在学生を登壇させる際は、原稿を読み上げるだけの一方的な紹介ではなく、司会役の教職員が質問を投げかける対談形式にすると、より自然な雰囲気で学生生活の実情を伝えられます。入学後の不安や失敗談なども含めて率直に語ってもらうことで、かえって受験生からの信頼につながることもあります。事前に簡単な打ち合わせをしておくと、在学生も安心して本番に臨めます。
また、キャンパスの雰囲気を伝えるためには、教室や施設を一方的に見せるだけでなく、実際にそこで学ぶ学生の様子や、授業の様子を交えて紹介することが効果的です。建物の紹介だけに終始すると、受験生が入学後の生活をイメージしにくくなってしまいます。
進行の時間配分にも配慮が必要です。画面越しの説明は対面よりも集中力が続きにくいとされており、長時間にわたって一方的な説明を続けると、受験生が途中で離脱してしまうこともあります。説明のパートを短く区切り、合間に質問の時間や休憩を挟むなど、飽きさせない工夫を取り入れるとよいでしょう。全体の進行が1時間を超える場合は、途中に小休憩を設けることも検討に値します。
全学的な説明会だけでなく、学部・学科ごとの個別の魅力を丁寧に伝える機会を設けることも、受験生の志望度を高めるうえで効果的です。同じ大学であっても、学部によって学べる内容や雰囲気は大きく異なるため、全体説明に加えて、学部単位でのオンライン説明会を企画する大学も増えています。
一方、専門学校の場合は、実習や実技の様子を見せることが特に重要になります。調理師学校であれば調理実習の様子を、美容専門学校であれば技術練習の様子を映像で見せることで、座学だけでは伝わらない学びのリアルな姿を伝えられます。実際に使用する設備や機材を映すことで、入学後にどのような環境で技術を身につけられるのかを具体的にイメージしてもらいやすくなります。
こうした個別の説明会は、全体説明会に比べて参加人数が少なくなる傾向があるため、より双方向性の高い対話的な進行がしやすいという利点もあります。少人数ならではの距離の近さを活かし、受験生一人ひとりの関心に寄り添った案内を心がけるとよいでしょう。
また、学部・学科単位の説明会を企画する際は、全体説明会の担当部署だけでなく、各学部の教員や在学生にも協力を仰ぐ必要があります。企画段階から各学部の窓口となる担当者を決めておくと、当日の運営もスムーズに進められます。年間を通じたスケジュールに組み込んでおけば、各学部の協力も得やすくなります。
オンラインオープンキャンパスで使用するシステムを選ぶ際は、想定される参加人数に対応できるかどうかが重要な確認ポイントになります。人気のある学部・学科の説明会では、同時に多くの受験生が参加する可能性があるため、同時接続人数の上限を事前に確認しておく必要があります。過去の対面開催での参加実績をもとに、オンラインでも同程度、あるいはそれ以上の参加が見込まれるかどうかを想定しておくとよいでしょう。
「LiveOn Meet」は、大型会議室機能によって最大150人までの同時表示に対応しており、チャット機能や資料共有機能も備えています。学校紹介のスライドを画面共有しながら説明し、並行してチャットで寄せられた質問に答えるという進行がしやすく、オンラインオープンキャンパスの運営に活用しやすいシステムです。
録画機能を活用すれば、ライブ配信型で実施した内容をオンデマンドコンテンツとして再利用することもでき、一度の配信を繰り返し活用できる点も運営の負担軽減につながります。
また、複数の教職員が参加するオープンキャンパスでは、担当分野ごとに対応できる体制をあらかじめ組んでおくと、受験生からの個別の質問にも専門分野の異なる教職員がスムーズに回答できます。進路相談のように専門的な回答が求められる場面では、こうした役割分担のしやすさも運営を円滑にするポイントになります。誰がどの質問に答えるかを当日の進行表にあらかじめ組み込んでおくと、対応漏れも防ぎやすくなります。
オンラインオープンキャンパスを企画する際は、次のようなポイントをあらかじめ確認しておくと、当日の運営がスムーズになります。これらを早めに整理しておくことで、本番直前になって慌てることを防げます。
特に、受験生だけでなく保護者も参加することを想定し、学費や奨学金制度など、保護者が気にする情報もあわせて丁寧に案内できるよう準備しておくことをおすすめします。
また、受験生が複数の時間帯から選べるよう、同じ内容の説明会を平日夜間や休日にも実施するといった配慮も有効です。学校行事や部活動で忙しい高校生にとって、参加しやすい時間帯の選択肢があるかどうかは、参加率に直結する要素です。録画を活用すれば、同じ内容を何度も繰り返し配信する手間を減らせます。
不要にはなりません。実際にキャンパスを訪れることでしか得られない体験や雰囲気もあるため、対面開催は今後も引き続き重要な機会であり続けます。オンラインは、対面参加が難しい受験生の選択肢を広げる補完的な手段として位置づけるのが基本的な考え方です。両方を上手に組み合わせることで、より多くの受験生との接点を作れます。
希望する受験生があらかじめ時間帯を予約できる仕組みを用意し、在学生や教職員が1対1、または少人数のグループで対応する形式が一般的です。進路に関する個別の悩みに丁寧に向き合えることが、個別相談型ならではの強みです。予約システムと映像通話システムを組み合わせることで、受験生は希望する時間帯を選んで申し込み、当日はその時間にアクセスするだけで相談を受けられるようになります。相談内容を事前に簡単なフォームで把握しておくと、担当者も準備した状態で対応でき、相談の質が高まります。
学校の規模にかかわらず実施できます。参加人数が少ない場合は、通常のWeb会議の延長として気軽に始めることができ、まずは小規模に試してみて、受験生の反応を見ながら内容を充実させていく進め方も現実的です。特別な配信スタジオを用意する必要はなく、教室や会議室にカメラとパソコンを用意するだけで始められる点も、小規模な学校にとって取り組みやすいポイントになります。
オンラインオープンキャンパスは、遠方の受験生や保護者にも学校を知ってもらう機会を広げる手段として、多くの教育機関で活用が進んでいます。一方通行になりがちな説明を、チャットでの質問受付や在学生の声を交えることで、双方向のコミュニケーションの場にする工夫が欠かせません。「LiveOn Meet」のように、大人数の同時接続とチャット・資料共有に対応したシステムを選ぶことで、運営の負担を抑えながら効果的な開催がしやすくなります。導入のご相談は、お問い合わせ・資料請求ページから承っています。
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