士業のオンライン相談、顧問先とどう信頼関係を築くか

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投稿日:2026/10/02
更新日:2026/10/02
業種別活用シーン・導入事例

顧問先の経営者はいつも忙しく、対面での打ち合わせの日程がなかなか合わない。複数の顧問先を抱えるスタッフが、訪問のための移動時間に追われて、本来の相談業務に十分な時間を割けていない――税理士・社労士・弁護士といった士業事務所の現場では、こうした悩みが年々大きくなっています。 この記事では、士業事務所でオンライン相談の導入が広がっている背景を整理したうえで、対面とは異なるオンラインならではの注意点、顧問先との信頼関係を保ちながら円滑に運用するための考え方を紹介します。

士業事務所でオンライン相談が広がる背景

そもそも士業事務所でオンライン相談が広がっている背景には、顧問先の地理的な分散と、事務所側の人手不足という2つの要因があります。顧問先が県外や遠方に点在している場合、訪問のたびに移動時間がかかり、1日に対応できる件数がどうしても限られてしまいます。

さらに、士業業界でも人手不足が続くなか、限られた人数のスタッフで多くの顧問先に対応するには、移動時間そのものを圧縮する工夫が欠かせません。オンライン相談を活用すれば、移動にかかっていた時間を相談対応そのものに充てられるようになり、結果として対応できる顧問先の数を増やせる可能性があります。若手スタッフの採用が難しい業界だからこそ、既存スタッフの生産性を高める取り組みとしても注目されています。

顧問先にとっても、経営者や担当者が日々の業務に追われるなか、事務所への訪問や来所のために時間を確保するのは負担です。オンラインであれば、業務の合間の短い時間を使って相談できるため、双方にとって都合のよい選択肢になります。

特に、複数の拠点を持つ顧問先や、繁忙期に相談件数が集中しやすい業種を担当している事務所にとっては、オンライン相談を組み合わせることで、繁忙期でも対応の質を落とさずに済むというメリットもあります。決算期や年末調整の時期など、相談が集中するタイミングほど、移動時間の圧縮効果は大きくなり、事務所全体の対応キャパシティにも余裕が生まれます。

オンライン相談で気をつけたい「信頼関係」の作り方

士業の仕事は、税務や労務、法務といった専門知識をもとに、顧問先の経営判断を左右する助言を行う仕事です。そのため、単に情報を伝えるだけでなく、顧問先との信頼関係を築きながら相談を進めることが欠かせません。

顧問契約という形態そのものが、単発の相談とは異なり、長期にわたる関係性を前提としています。だからこそ、日々のやり取りの積み重ねが顧問先からの信頼につながっていくのであり、オンライン化によってこの積み重ねの質が下がってしまっては、本末転倒だといえるでしょう。効率化と信頼関係の維持は、どちらか一方を犠牲にするのではなく、両立を目指すべき課題です。

対面であれば、雑談や表情、その場の空気から自然に読み取れていた顧問先の状況が、画面越しのやり取りでは伝わりにくくなることがあります。たとえば、経営者が本当に困っている様子や、言葉にしていない不安を察知する機会が、オンラインでは減ってしまいがちです。

この点を補うためには、相談の冒頭で意識的に近況を尋ねる時間を設ける、資料の説明だけで終わらせず、顧問先の反応を確認しながら進める、といった工夫が有効です。オンラインだからこそ、相談の進め方そのものに、対面以上の丁寧さを意識する必要があります。

また、画面越しでは相手の細かな表情の変化が伝わりにくいため、意識的に相槌を打つ、質問がないかを定期的に確認するといった配慮も欠かせません。特に、専門用語が多くなりがちな税務や法務の説明では、顧問先が理解できているかを都度確認しながら進める姿勢が、信頼関係の維持につながります。

相談内容の記録・証跡を残すことの重要性

士業の相談業務では、いつ、どのような助言を行ったかという記録が、後のトラブル防止において重要な役割を果たします。税務や労務に関する相談は、後になって「そのような説明は受けていない」といった認識の相違が生じやすい領域だといえます。

オンライン相談を録画・録音しておけば、対面では残らなかった相談内容の記録を、客観的な形で残せるようになります。顧問先との間で認識の相違が生じた際にも、実際のやり取りを振り返ることができ、双方にとって安心材料になります。対面での相談ではメモを取るのが精一杯だった内容も、映像として残しておけば、後から見返して細部まで確認できます。

ただし、録画・録音を行う際は、事前に顧問先の同意を得ておくことが基本です。相談内容が機密性の高い情報を含むことを踏まえ、録画データの保存期間やアクセス権限についても、事務所として明確なルールを定めておく必要があります。

記録を残す運用は、事務所側だけでなく顧問先にとってもメリットがあります。相談の場で説明された内容を後から見返せることは、経営者自身が経営判断を振り返る際の材料にもなります。「あのとき、なぜこの判断をしたのか」を記録から確認できることは、顧問先との長期的な信頼関係を築くうえでも意味のある取り組みです。こうした記録の価値を顧問先にも説明しておくことで、録画への同意も得やすくなります。

システム選定で押さえておきたいポイント

士業事務所がオンライン相談で利用するシステムを選ぶ際は、顧問先の財務情報や個人情報といった機密性の高い情報を扱うことを踏まえ、通信の暗号化などセキュリティ面の水準を確認することが欠かせません。士業には法令上の守秘義務が課されていることも多く、システム選定はこの義務を果たすうえでの基盤となる判断です。

「LiveOn Call」は、映像・音声によるやり取りに加えて、資料共有や録音・録画機能を備えたシステムです。決算書類や契約書などの資料を画面共有しながら説明でき、相談内容を記録として残せるため、士業事務所の相談業務との親和性が高い機能構成になっています。

また、顧問先には情報通信機器の操作に不慣れな経営者も少なくありません。専用アプリのインストールが不要で、案内されたURLへのアクセスだけで参加できるシステムであれば、顧問先側の負担を抑えながら導入を進めやすくなります。

複数のスタッフが交代で顧問先を担当する事務所では、過去の相談内容を後任の担当者が確認できる仕組みも重要です。担当者が変わるたびに顧問先へ一から説明を求めることのないよう、録画データや相談メモを事務所内で共有できる体制を整えておくと、引き継ぎの質を落とさずに済みます。担当者交代のたびに顧問先から不満の声が上がっていた事務所ほど、この仕組みの整備効果を実感しやすいでしょう。

対面とオンラインの使い分け方

士業の相談業務において、対面とオンラインのどちらが適しているかは、相談内容の性質によって変わります。契約締結や重要な意思決定にかかわる相談では、顧問先との対面での擦り合わせが重視される傾向にあり、日常的な質疑応答や定型的な報告業務は、オンラインでも十分に対応できるケースが多いといえます。

また、顧問先との関係性の深さによっても、適した進め方は変わってきます。契約したばかりで信頼関係を築いている最中の顧問先には、初期段階では対面での訪問を重視し、関係性が深まってからオンラインを組み合わせていくという進め方も考えられます。すべての顧問先に一律の運用を当てはめるのではなく、関係性や相談内容に応じて柔軟に判断する姿勢が求められます。

事務所全体としての方針を定めておくことも重要です。担当者ごとに対面・オンラインの使い分けの基準が異なると、同じ事務所でありながら顧問先ごとに対応の質にばらつきが生じかねません。事務所としての基本方針を共有したうえで、個々の顧問先の事情に応じて調整するという二段構えの運用が現実的です。所長やベテラン職員が率先して基準を示すことで、事務所全体への浸透もスムーズになります。

導入前に確認しておきたいチェックリスト

士業事務所がオンライン相談を導入する際は、次のようなポイントをあらかじめ確認しておくと、運用開始後のトラブルを防ぎやすくなります。導入前にこれらを一つひとつ丁寧に確認しておくことで、後から見直しに追われる事態を防げます。

  • 顧問先の機密情報を扱うにふさわしいセキュリティ水準を備えているか
  • 資料を画面共有しながら説明できる機能があるか
  • 録画・録音を行う場合の同意取得や保存ルールを整理できているか
  • 顧問先にとって操作が簡単で、負担なく参加できる仕組みになっているか
  • 対面での相談とオンラインでの相談を、どのような基準で使い分けるか決めているか

特に、対面とオンラインの使い分けの基準は、事務所内であらかじめ共有しておくことが大切です。担当者ごとに判断がばらつくと、顧問先によって対応の質に差が出てしまう可能性があります。

職員側の教育・運用ルールの整備

オンライン相談を組織として着実に定着させるには、機材やシステムを整えるだけでなく、職員一人ひとりがオンラインならではの進め方を身につけておく必要があります。対面での相談経験が豊富なベテラン職員であっても、オンラインでの進め方には独自のコツがあり、意識的に習得する機会が求められます。

具体的には、資料を画面共有する際の見せ方、説明の間の取り方、顧問先の反応を確認するタイミングなど、対面では自然にできていたことを、オンラインでは意識的に行う必要があります。事務所内で模擬相談を行い、経験の浅い職員がベテランの進め方を学べる機会を設けることも、育成の観点から有効です。実際の相談を録画しておけば、後から良かった対応・改善点を振り返る教材としても活用できます。

また、オンライン相談の予約・実施・記録という一連の流れを、事務所として統一されたフローに落とし込んでおくことも重要です。誰が担当しても同じ品質で対応できるよう、手順をマニュアル化しておくと、新しく入所した職員への引き継ぎもスムーズになります。マニュアルは一度作って終わりにせず、実際の運用で気づいた改善点を反映しながら育てていくものだと捉えておくとよいでしょう。

よくある質問

すべての相談をオンラインに切り替える必要がありますか?

必ずしもすべてをオンラインに切り替える必要はありません。契約更新など重要な意思決定を伴う場面では対面を選び、日常的な質疑応答や定例の報告はオンラインで済ませるといった使い分けをしている事務所が多く見られます。顧問先との関係性や相談内容に応じて、柔軟に判断するとよいでしょう。年に一度は必ず対面で顔を合わせる機会を設けるなど、頻度のルールを決めておく事務所もあります。

顧問先がオンラインでの相談に慣れていない場合、どう対応すればよいですか?

初回は接続方法を丁寧に案内し、必要であれば事前に簡単な接続テストの機会を設けるとよいでしょう。最初のうちは対面とオンラインを併用しながら、顧問先が徐々に慣れていけるよう、段階的に移行することも有効な進め方です。無理にオンラインへ一本化しようとせず、顧問先のペースに合わせることが、長期的な信頼関係の維持につながります。

録画データはどのくらいの期間保存すればよいですか?

特に決まった期間があるわけではありませんが、相談内容の性質や、想定されるトラブルの種類に応じて、事務所として保存期間を定めておくことが基本です。機密性の高い情報を扱う以上、目的を終えた後は適切に削除することも忘れてはいけません。契約書や税務関係の書類など、法令上の保存義務がある資料とは別に管理する必要がある点にも注意しておきましょう。

まとめ

士業事務所にとってオンライン相談は、移動時間を削減し、限られた人員でより多くの顧問先に対応するための有効な手段です。一方で、画面越しのやり取りだからこそ、顧問先との信頼関係を意識的に築く工夫や、相談内容の記録・証跡を残す運用が欠かせません。「LiveOn Call」のように、資料共有や録画機能を備えたシステムを活用すれば、こうした運用を実現しやすくなります。導入のご相談は、お問い合わせ・資料請求ページから承っています。

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