現場DXの進展に伴い、「遠隔臨場」という言葉を目にする機会が増えています。遠隔臨場は、国土交通省の直轄土木工事などで活用されている、現場確認を遠隔化する仕組みです。ウェアラブルカメラなどで取得した映像・音声をWeb会議システム等で共有し、離れた場所から「段階確認」「材料確認」「立会」を行います。2020年度から試行され、2022年度から本格的に実施されているほか、2024年3月には「工事検査」を遠隔臨場で行うための実施要領(案)も別途策定されています。
一方、製造業やインフラ分野でも、同様の映像共有技術を活用し、離れた専門家が現場作業者を支援する「遠隔作業支援」が活用されています。遠隔臨場は、国土交通省の直轄土木工事などで実施要領に基づいて行われる仕組みです。一方、遠隔作業支援は特定の制度に限定されるものではなく、製造業やインフラ、設備保守など幅広い現場で活用されています。
本記事では、現場DXを推進するうえで押さえておきたい基本用語を、この2つを区別しながら整理します。読み終える頃には、現場DXに関する会話や資料に出てくる専門用語に迷わなくなるはずです。
遠隔臨場とは、現場で撮影した映像・音声を遠隔地とリアルタイムで共有し、段階確認や材料確認、立会などを遠隔で行う仕組みです。現地への移動や立会に伴う待ち時間を減らし、受発注者双方の業務効率化につなげることが期待されています。国土交通省の直轄土木工事では2020年度から試行が始まり、2022年度から本格的に実施されています。また2024年3月には、工事検査を遠隔臨場で行うための実施要領(案)も別途策定されています。
これらは、施工状況や使用材料が契約内容に沿ったものであるかを確認する重要な業務です。
遠隔臨場を適用できる項目では、発注者や監督職員が現地へ移動せずに確認できる場合があります。ただし、遠隔での確認が適さない工種・項目では、従来どおり現地での確認が必要です。
ウェアラブルカメラは作業者の視点をリアルタイムで共有する装着型カメラ、スマートグラスは手を使わずに情報を確認・表示できる眼鏡型デバイスです。例えばLiveOn Wearableでは、スマートグラスを装着することで、現場映像と音声を遠隔地とリアルタイムに共有できます。撮影した映像はクラウド録画と組み合わせることで、エビデンス保存やBCP対策にも役立ちます。
クラウド録画は、現場で撮影した映像をクラウド上に保存する仕組みです。専用レコーダーを設置しなくても、インターネット経由でどこからでも映像を確認できます。トラブル発生時のエビデンス保存はもちろん、クラウド録画サービスと連携すれば、BCP対策・災害対策としても活用できます。
情報共有システムとは、公共工事において、発注者と受注者の間で工事関係書類やスケジュールなどの情報を電子的に交換・共有するためのシステムです。ASP方式では、インターネットを通じて提供されるシステムを利用し、工事書類の共有や確認、決裁などを行います。国土交通省が発注する測量・地質調査・設計等の業務では、2023年4月から情報共有システムの使用が原則化されています。
現場から共有されている映像の一場面を静止画として保存し、確認箇所を書き込むなどして指示に活用する機能を、一般にスナップショット(画面キャプチャ)機能と呼びます。また、資料共有機能を使えば、図面や手順書をスマートグラス上に表示し、作業者が両手を使ったまま内容を確認できます。製品によっては、これらの機能がオプションとして提供される場合があります。
遠隔作業支援とは、現場にいない管理者がスマートグラスやウェアラブルカメラを通じて、作業者にリアルタイムで指示を出す仕組みです。工場のラインでトラブルが起きた際、遠隔地の専門家が映像を見ながら指示を出すことで、移動時間をかけずに迅速な問題解決が図れます。
エビデンス保存とは、現場での作業内容を記録し、後から確認できるようにすることです。BCP対策は、災害や事故発生時にも事業を継続するための計画で、重要データのバックアップや代替手段の確保が含まれます。両者を組み合わせることで、企業はリスクへの備えを強化できます。
災害対策は自然災害に備えた計画・措置、安否確認は災害発生時に従業員・関係者の安全を確かめる手段です。災害時の安否確認では、従業員への連絡手段や安否確認の仕組みをあらかじめ整えておくことが重要です。一方、ウェアラブルカメラや遠隔作業支援システムは、被災した現場の状況確認や復旧作業の遠隔支援などに活用できます。
LiveOn Wearableは、災害時の現場状況を離れた拠点へ共有したり、復旧作業を遠隔から支援したりする手段として活用できます。また、クラウド録画システム「LiveOn RecX」と組み合わせれば、現場映像を記録・保存することも可能です。ただし、BCP対策ではこうしたツールに加えて、連絡体制やデータ保全、代替手段などを含めた運用計画を整えておくことが重要です。
遠隔医療とは、情報通信機器を活用した健康増進や医療に関する取り組みの総称です。そのうち、医師と患者の間で情報通信機器を通じてリアルタイムに診察や診断、処方等を行うものを「オンライン診療」といいます(このほか、受診勧奨を行う「オンライン受診勧奨」、一般的な情報提供にとどまる「遠隔健康医療相談」などにも分類されます)。ウェアラブルカメラなどは、医療従事者間の情報共有や遠隔支援などに活用される場合がありますが、実際の診療に利用する場合は、厚生労働省の指針や医療機関の運用ルールに沿って使用する必要があります。
LiveOn Wearableの遠隔コントローラー機能は、現場側のウェアラブル端末を、離れた場所にいる支援者のPCから操作する機能です。映像の解像度やフレーム数、音声設定、ライト点灯、ズームなどを遠隔から変更できるほか、現場端末に表示される画面もコントロールできます。現場作業者が機器操作に手を取られにくくなる点が特徴です。
ウェアラブルカメラには、頭部に装着するタイプ、胸部に装着するタイプなど、用途に応じたバリエーションがあります。LiveOn Wearableは多様なウェアラブルカメラ・スマートグラスに対応しており、例えばRealWear社のスマートグラスや、Xactiシリーズのウェアラブルカメラ(頭部装着タイプ・胸部装着タイプ)などが挙げられます。レンタルプランでは、現場支援・警備向けとされるボディカメラ「ACW-P5000」とスマートグラスが用意されています。対応機種は今後変更される場合があるため、詳しくは個別にご確認ください。
近年は「長時間装着すると負担になる」というウェアラブルカメラの課題を意識した製品も登場しています。例えば「LiveOn Nano」は約80gの超小型・軽量設計のウェアラブルカメラで、2026年9月末に発売予定です。軽量性を重視する現場で使いやすいウェアラブルカメラとして、今後の現場DXで注目される選択肢のひとつです。
ローカル5Gは、企業や自治体などが特定の敷地・エリア内に構築する5Gネットワークです。大容量通信や低遅延通信など5Gの特性を生かし、工場や建設現場での映像伝送、遠隔監視・遠隔制御などへの活用が期待されています。ただし、実際の通信品質は基地局の配置や建物・設備など周囲の環境に左右されるため、用途に合わせたネットワーク設計が必要です。
Q1. 遠隔臨場と遠隔作業支援はどう違いますか?
遠隔臨場は、国土交通省の直轄土木工事などで実施要領に基づいて行われる仕組みで、段階確認・材料確認・立会(2024年3月からは工事検査も)を対象としています。遠隔作業支援は特定の制度に限定されず、製造業やインフラ分野などで幅広く活用されている、専門家が現場作業者を映像越しに支援する取り組みです。根拠となる実施要領の有無や対象範囲が異なります。
Q2. 遠隔臨場の導入にはどんな機器が必要ですか?
動画を撮影するカメラ、映像・音声を送受信できる通信環境、遠隔地から確認するためのWeb会議システム等が基本となります。ウェアラブルカメラを利用すれば、作業者が両手を使いながら現場映像を共有しやすくなります。必要な映像品質や通信環境などは工事・発注者によって異なるため、個別の実施要領や条件を確認することが必要です。
Q3. 中小規模の現場でも導入できますか?
はい。レンタルプランを利用すれば、初期投資を抑えて短期のスポット導入も可能です。具体的な期間・条件は製品・ベンダーによって異なるため、個別に確認してください。
Q4. 遠隔臨場で使われる映像共有技術は、ほかの業務にも活用できますか?
はい。ウェアラブルカメラなどを使ったリアルタイム映像共有は、遠隔臨場だけでなく、設備保守の遠隔支援、技術継承、災害時の現場確認、医療従事者間の情報共有など、さまざまな用途で活用されています。
遠隔臨場は、現場の映像・音声を遠隔地と共有し、段階確認・材料確認・立会(2024年3月からは工事検査も)などを効率化する、国土交通省の直轄土木工事などで実施要領に基づいて行われる仕組みです。一方、同じ映像共有技術は、製造業やインフラ分野における遠隔作業支援、技術継承、設備点検などにも幅広く活用されています。
LiveOn Wearableは、ウェアラブルカメラやスマートグラスを活用し、現場と遠隔地をリアルタイムでつなぐ遠隔作業支援システムです。現場映像の共有や音声コミュニケーション、資料共有などに対応し、LiveOn RecXと組み合わせることで映像の記録・管理にも活用できます。用途に応じてスマートグラスやウェアラブルカメラなどのデバイスを選べるほか、超小型ウェアラブルカメラ「LiveOn Nano」(2026年9月末発売予定)も、今後の選択肢のひとつに加わります。
自社の目的や現場環境に合わせて、必要な機器・通信環境・システムを組み合わせて検討することが大切です。
導入のご相談やお見積もりは、お問い合わせ・資料請求ページから承っています。
本記事で紹介した製品について詳しく知りたい場合は、LiveOn Nano、LiveOn Wearable、LiveOn RecXの各ページをご覧ください。
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