自治体が業務システムを選定する際、LGWAN環境で利用できるかどうかは重要な確認事項のひとつです。また、金融機関や防衛関連企業など、厳格なセキュリティ要件が設けられている組織では、インターネットから分離された閉域網やオンプレミス環境に構築できるかどうかが重視される場合があります。本記事では、LGWANと閉域網の違いや、システム導入前に確認すべきポイントを解説します。
LGWAN(総合行政ネットワーク)は、地方公共団体の庁内ネットワークを相互に接続する行政専用の閉域ネットワークです。一般のインターネット網には直接接続されておらず、地方公共団体間の情報共有や行政事務などに利用されています。
閉域網は、接続できる利用者や拠点を限定し、一般のインターネットから分離または論理的に隔離したネットワークを指す一般的な言葉です。通信事業者が提供する閉域ネットワークや、組織内に構築する専用ネットワークなど、複数の方式があります。
sXGPやローカル5Gは、組織が特定の施設やエリアで独自の無線通信環境を構築するための通信方式・無線システムです。閉域性の高いネットワークを構成する手段として利用できますが、sXGPやローカル5G自体が閉域網と同じ意味ではありません。外部ネットワークとの接続有無や通信経路は、実際のシステム構成によって異なります。
閉域網は一般のインターネットからの直接的なアクセスを制限しやすい一方、内部不正、端末のマルウェア感染、設定ミスなどのリスクがなくなるわけではありません。ネットワークの分離だけでなく、認証、アクセス制御、ログ管理、端末管理などを組み合わせることが重要です。
LGWANや閉域網でシステムを利用する方法には、組織内へサーバーを設置するオンプレミス型のほか、LGWAN-ASPなどを通じて外部のサービスを利用する方式があります。そのため、LGWANで利用する場合に、必ずオンプレミス型を選ばなければならないわけではありません。
導入時には、単に「LGWAN対応」「閉域網対応」という表示だけで判断せず、組織内へのオンプレミス構築なのか、LGWAN-ASPとして提供されるサービスなのか、既存のネットワークからどのような経路で接続するのかを確認する必要があります。
LGWANや閉域網でシステムを利用する場合、一般的なインターネット経由のクラウドサービスとは異なるネットワーク設計や技術的な調整が必要になることがあります。そのため、製品の導入件数だけでなく、自組織と同様のネットワーク環境における構築実績やサポート体制を確認することが重要です。
また、同じ製品シリーズであっても、製品ごとに対応するネットワーク環境や導入実績は異なる場合があります。導入を検討している製品とネットワーク構成の組み合わせについて、個別にベンダーへ確認しておくと安心です。
LiveOn Chatは、公式製品情報において、オンプレミス環境のほか、LGWAN、sXGP、ローカル5G、長距離無線などの限られたネットワーク環境への構築に対応すると案内されています。実際に利用できる機能や構成は導入環境によって異なるため、詳細な要件確認が必要です。
閉域網内で運用していても、内部不正、アカウントの不正利用、設定ミス、端末の紛失などのリスクは残ります。監査ログに記録される項目や保存期間、ログを閲覧できる管理者の範囲に加え、IPアドレスや利用端末、部署、ユーザー単位でアクセスや機能を制御できるかを確認しましょう。
すでにActive Directoryなどの認証基盤を運用している組織では、新しく導入するシステムとの連携可否や、連携できる情報の範囲も確認しましょう。認証やアカウント運用を既存の基盤と連携することで、管理負担を軽減できる場合があります。
LiveOn Chatは、LiveOn SSO+を経由したActive Directory連携および統合Windows認証に対応しています。LiveOn Chat単体ですべての連携機能が提供されるという意味ではないため、必要な製品構成、ライセンス、アカウント作成・変更・削除の連携範囲を事前に確認する必要があります。
クラウド型サービスは、サーバーの構築や保守をサービス提供者に任せられるなどの利点があります。一方、一般のインターネット経由でのみ提供されるサービスは、LGWAN接続系やインターネット接続を制限した閉域環境から利用できない場合があります。
ただし、LGWANではLGWAN-ASPなどを通じて外部のサービスを利用する仕組みもあるため、「クラウド型だから利用できない」「オンプレミス型だから利用できる」と一律には判断できません。接続経路、認証方式、データの保存場所、外部通信の有無、運用・保守方法などを確認し、自組織のセキュリティポリシーに適合する構成を選定することが重要です。
Q. LGWAN対応とオンプレミス対応は同じ意味ですか?
A. 同じ意味ではありません。オンプレミスは、組織が管理する環境などにサーバーを構築する提供形態を指します。一方、LGWAN対応は、LGWANに接続された環境で利用できることを表す言葉ですが、組織内へのオンプレミス構築、LGWAN-ASPによる提供など、実現方法は複数あります。また、オンプレミス対応製品であっても、そのままLGWAN環境で利用できるとは限りません。「LGWAN対応」が具体的にどのような構成を指すのか、ベンダーへ確認する必要があります。
Q. sXGPやローカル5Gとの違いは何ですか?
A. LGWANは、地方公共団体の庁内ネットワークを相互に接続する行政専用の閉域ネットワークです。一方、sXGPやローカル5Gは、企業や自治体などが特定の施設・エリアで独自の無線通信環境を構築するための通信方式・無線システムです。閉域性の高い環境を構成するために利用できますが、LGWANや閉域網と同じ意味ではありません。外部ネットワークへの接続有無は、個別のシステム構成によって異なります。
自治体がシステムを選定する際は、LGWAN環境で利用できるかどうかが重要な確認事項になります。一方、金融機関や防衛関連企業などでは、それぞれのセキュリティポリシーに適合した閉域網やオンプレミス環境へ構築できるかが重視される場合があります。
製品を選定する際は、「LGWAN対応」「閉域網対応」という表示だけで判断せず、具体的な提供方式、接続経路、同様の環境における構築実績、監査ログ、アクセス制御、既存の認証基盤との連携範囲などを確認することが重要です。閉域網であってもすべてのセキュリティリスクを防げるわけではないため、端末管理や認証、権限管理、運用ルールを含めて検討しましょう。
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