オンプレミスとクラウドの違いは?メリット・デメリットも解説

投稿日:2026/05/28
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オンプレミスとクラウドの違いは?メリット・デメリットも解説

オンプレミスとクラウドは、どちらも企業のシステム運用で広く使われている方法ですが、初期費用や拡張性、カスタマイズ性などに違いがあります。特にWeb会議システムを導入する際は、利用人数や運用体制、セキュリティ水準などに応じて、どちらの形態が自社に合うか慎重に検討しなければなりません。
この記事では、それぞれの違いやメリット・デメリット、自社に合った選び方を解説します。どちらを導入すべきか判断する際にお役立てください。

目次

オンプレミスとクラウドの概要

オンプレミスとクラウドの違いを正しく理解するには、まずそれぞれの意味や特徴を押さえておくことが大切です。

オンプレミスとは

オンプレミス(on-premises)は、「施設内」や「構内」といった意味を持つ英語で、IT分野では自社でシステムを構築し、保守・運用まで自社主導で行う形態のことを指します。
しかし、必ずしも自社オフィス内に機器を置く場合だけを指すわけではなく、自社が管理責任を持ってデータセンターなどで運用するケースも含まれます。

オンプレミスの強みは、自社の業務やルールに合わせて細かく設計しやすいことです。一方で、導入や保守には人手やコストがかかるため、自由度が高いぶん、運用に伴う責任も大きくなります。

クラウドとは

一方、クラウドは外部の事業者が提供するサーバーやストレージ、アプリケーションなどをインターネット経由で利用する形態のことです。自社でサーバーなどのインフラ機器を保有・管理する必要がないため、導入までのスピードが速く、初期費用を抑えやすい傾向があります。

クラウドでは、利用形態によって責任範囲は異なるものの、設備管理やインフラ保守の多くを事業者側に任せられる点が特徴です。たとえば、Web会議システムやメール、グループウェア、会計ソフト、顧客管理システムなど、現在では多くの業務システムがクラウド型で提供されています。

オンプレミスとクラウドの違いを8つの観点で比較

オンプレミスとクラウドの違いを8つの観点で比較すると、以下の通りです。

オンプレミスとクラウドの違い

比較項目 オンプレミス クラウド
初期費用 サーバーやネットワーク機器の調達などで高額になる 低く抑えやすく、機器購入が不要なケースが多い
ランニングコスト 保守費、電気代、人件費はかかるが、一定規模で長期利用する場合は、コストを抑えられることがある 月額課金・従量課金が中心で、利用量に応じて費用が増える
導入期間 機器調達や構築が必要なため、導入に時間がかかる 契約後、比較的短期間で利用を開始しやすい
運用・保守 障害対応、更新、バックアップなどを自社で担う必要がある インフラ保守の多くを事業者に任せられる
カスタマイズ性 自社の要件に合わせて柔軟に設計・変更しやすい 標準機能を前提に利用することが多い
拡張性 増強時に機器の追加や再構築が必要 利用量に応じて増減できる
セキュリティ 自社方針に沿って細かく設計しやすいが、十分な運用体制が前提 事業者の対策を活用できるが、設定や責任分界の確認が必要
障害対応・災害対策 原因を把握しやすい面はあるが、自社設備が被災するリスクがある 冗長化や分散構成を取りやすい一方、復旧は事業者に依存

このように、オンプレミスとクラウドは、それぞれ強みが異なります。

自社要件への対応力や統制のしやすさを重視するならオンプレミス、導入のしやすさや運用負担の軽さを重視するならクラウドが向いているといえるでしょう。

オンプレミスのメリット

オンプレミスとクラウドの違いを把握したうえで、次はそれぞれのメリットとデメリットを確認します。

まず、オンプレミスの主なメリットは以下の3点です。

オンプレミスのメリット

  • メリット①自社の要件に合わせて柔軟に設計しやすい
  • メリット②既存システムや社内設備と連携しやすい
  • メリット③セキュリティやアクセス制御を自社で統制しやすい

メリット①自社の要件に合わせて柔軟に設計しやすい

オンプレミスの大きなメリットは、システム全体を自社の業務に合わせて設計しやすいことです。
使用するハードウェアやOS、ソフトウェア、ネットワーク構成まで自社で選定でき、業務フローに合わせた細かな調整も可能です。そのため、独自要件が多い企業ほど導入メリットが大きくなります。

また、運用ルールやメンテナンスのタイミングを自社の都合で決めやすいのも利点です。

メリット②既存システムや社内設備と連携しやすい

すでに社内で使っている基幹システムや業務システム、周辺機器と連携しやすい点もオンプレミスのメリットの一つです。
長年運用してきた既存環境を活かしながら機能を拡張したい場合や、社内ネットワーク内で密接に連携させたい場合でも設計しやすいのが特徴です。特に、既存資産が多い企業では、現在の環境との整合性を取りながら導入・運用しやすい点が強みとなります。

たとえば、オンプレミス型のWeb会議システムでは、社内ネットワークや会議室設備と連携する設計を自社主導で行いやすい点もメリットに挙げられます。新しく仕組みを導入するたびに既存システムとのつながりを慎重に確認する必要がある企業にとっては、見逃せないメリットといえます。

メリット③セキュリティやアクセス制御を自社で統制しやすい

またオンプレミスであれば、セキュリティポリシーやアクセス制御を自社方針に沿って設計しやすいこともメリットとなるでしょう。
どの端末から、どのネットワーク経由で、どのデータにアクセスできるかを細かく設定しやすく、社内ルールに合わせた統制を行いやすくなります。機密性の高い情報を扱う場合や、アクセス範囲を厳密に管理したい場合には大きな利点となります。

ただしオンプレミスであっても、セキュリティを維持するには適切な設計と継続的な運用が欠かせない点は理解しておかなければなりません。

オンプレミスのデメリット

オンプレミスの主なデメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

オンプレミスのデメリット

  • デメリット①初期費用が高くなりやすい
  • デメリット②導入までに時間がかかりやすい
  • デメリット③保守・運用の負担が大きくなりやすい

デメリット①初期費用が高くなりやすい

オンプレミスは、導入時にサーバーやストレージ、ネットワーク機器などを自社で用意する必要があるため、初期費用が高額になりやすい点がデメリットです。
月額契約で始めやすいクラウド型と比べると、スタート時の負担が大きくなるため、あらかじめ予算を確保しておく必要があります。

さらに、導入時にかかる費用は機器代だけではありません。
設計、構築、設定、設置環境の整備などにもコストがかかるため、全体で見ると想定以上の費用になることがあります。特に新規構築では、この初期負担をどのように見込むかが重要です。

デメリット②導入までに時間がかかる

オンプレミスの導入には、機器の選定、調達、構築、動作確認といった工程が必要になるため、利用開始まで一定の準備期間を見込んでおく必要があります。

そのため、短期間で新しいシステムを導入したい場合や、まずは小規模に始めたい場合にはハードルとなるかもしれません。要件が複雑になるほど準備期間も長くなりやすいことから、スケジュールには余裕を持って検討する必要があります。

デメリット③保守・運用の負担が大きくなりやすい

またオンプレミスの場合、運用や保守を基本的に自社で担う必要があるため、担当者の負担が大きくなることも忘れてはなりません。
OSやソフトウェアの更新、障害監視、バックアップ、ハードウェア障害への対応まで、日常的に行うべき作業は多くあります。特に障害が発生した場合は原因調査や復旧対応まで自社で行う必要があり、一定の知識や経験が求められます。

そのため、十分な人材やノウハウがないままオンプレミスを導入すると、運用が属人化したり、障害時の対応が遅れたりするおそれがある点には注意が必要です。

クラウドのメリット

続いて、クラウドのメリットについても紹介します。
クラウドの主なメリットとしては、次の3点が考えられます。

クラウドのメリット

  • メリット①初期費用を抑えて導入しやすい
  • メリット②導入までの期間が短い
  • メリット③保守・運用の負担を軽減しやすい

メリット①初期費用を抑えて導入しやすい

クラウドの大きなメリットは、導入時の初期費用を抑えられることです。
自社でサーバーなどのインフラ機器を購入したり、設置環境まで整えたりする必要がないため、導入時の負担を軽減しやすくなります。特に、新しくシステムを立ち上げる際に、初期投資を抑えたい企業にとっては有力な選択肢となるでしょう。

また、必要な機能や利用規模に応じてプランを選びやすく、小さく始めて、必要に応じて拡張しやすい点も特徴です。

メリット②導入までの期間が短い

導入までのスピードが速い点もクラウドの強みです。サーバーなどのインフラ機器の選定・調達や、大規模な構築作業が不要なケースが多く、すでに用意された環境やサービスを利用する形が一般的なため、比較的短期間で導入できます。

新しい業務システムを早く立ち上げたい場合や、事業環境の変化に応じて迅速に対応したい場合には、クラウドの導入が有効です。
まず導入して運用しながら改善していきやすい点も、クラウドの利点といえるでしょう。

メリット③保守・運用の負担を軽減しやすい

クラウドでは、サーバーやネットワークなどのインフラの保守・運用の多くをサービス提供事業者が担うため、利用者側の負担を軽減しやすいというメリットもあります。
自社でハードウェアの状態を監視したり、障害時に部品交換や復旧対応を行ったりする必要がないため、日常的な管理の手間を軽減しやすくなります。

また、社内にITの専門人材が十分にいない企業でも、外部サービスを活用しながら一定水準のシステム環境を利用できることも大きな利点です。
インフラ管理にかける負担を減らし、本来の業務に人的リソースを振り向けやすくなることは、クラウドの大きな魅力といえるでしょう。

クラウドのデメリット

一方で、クラウドにも事前に理解しておきたいデメリットがあります。
代表的なデメリットとして、以下の3点を紹介しましょう。

クラウドのデメリット

  • デメリット①利用状況によってコストが変動しやすい
  • デメリット②自社独自の要件には合わせにくい場合がある
  • デメリット③障害や仕様変更で事業者の影響を受けることがある

デメリット①利用状況によってコストが変動しやすい

クラウドは初期費用を抑えやすい反面、利用状況によって運用コストが変動しやすい傾向があります。
多くのサービスでは、利用量や契約アカウント数などに応じて料金が決まるため、利用規模が大きくなると、月額費用が想定以上に膨らむことがある点には注意が必要です。

また、不要な機能や使っていないリソースを契約したままにしていると、気づかないうちに無駄なコストが発生することもあります。導入しやすさだけで判断するのではなく、長期的な利用を前提に費用を見ていく必要がある点も、クラウドの注意点の一つです。

デメリット②自社独自の要件には合わせにくい場合がある

あらかじめ用意されたサービスや機能を利用することが一般的なクラウドは、自社独自の細かな要件には対応しにくい場合があります。
特殊な業務フローや複雑な既存システムとの連携が必要な場合には、標準機能だけでは十分に対応できず、運用面で調整が必要になることもあります。

近年はAPI連携や拡張機能によって柔軟性が高まっているものの、ゼロから自社仕様に合わせて設計・構築するには制約があるのが現状です。そのため、業務の独自性が高い企業では、導入前にどこまで対応できるかを十分に確認しておくことが大切です。

デメリット③障害や仕様変更で事業者の影響を受けることがある

クラウドでは、サービス提供事業者側で障害が発生すると、自社の業務にも影響が及ぶ可能性があります。
自社でサーバーを直接管理しているわけではないため、システム障害が起きても利用者側で対応できる範囲には限界があり、基本的には事業者の復旧を待つことになります。

また、サービス内容や機能、料金体系などが事業者側の判断で変更される可能性がある点も注意しなければなりません。
利便性の高さは大きな魅力ですが、その一方で一定の事業者依存が生じる点は導入前に理解しておきたいところです。

オンプレミスとクラウドはどっちを選ぶ?

ご紹介したように、オンプレミスとクラウドはそれぞれ強みが異なるため、適したケースも異なります。自社に合った選択をするには、コストや導入スピードだけでなく、運用体制や求める柔軟性も含めて検討することが大切です。
ここでは、それぞれがどのようなケースに向いているのかを解説し、あわせて、両者を併用する「ハイブリッドクラウド」についても紹介します。

オンプレミスが向いているケース

オンプレミスが向いているのは、独自要件が多い場合です。
業務フローが特殊で、既存システムとの複雑な連携が必要な場合や、既成のクラウドサービスでは対応できない設計が必要な場合には、オンプレミスが有効です。

また、社内規定や業界特性に応じて、データの管理方法を厳格に統制したい場合にも適しています。

さらに、社内に十分なIT人材がいて、既存設備やノウハウもある場合にも、オンプレミスのほうが運用を進めやすい面もあります。特に、長年利用してきた基幹システムをすぐに入れ替えにくい企業にとっては、既存環境を活かしながら運用しやすいオンプレミスが向いているでしょう。

クラウドが向いているケース

一方、クラウドが向いているのは、導入スピードを重視したいケースです。
新規事業を立ち上げる、短期間で業務改善を進める、複数拠点で同時に利用を始めたいといった場合には、クラウドのほうが現実的です。

社内にIT専任者が少ない企業にもクラウドが向いています。
インフラの保守・運用の一部をサービス提供事業者に任せられることで、社内の担当者が限られている環境でも、日常業務に必要なリソースを確保しやすくなるためです。

また、時期によって利用量の増減が大きい場合にも、クラウドなら効率的に対応できます。
たとえば、繁忙期と閑散期でアクセス数が大きく変わるサービスや、社内の組織再編によってシステムの利用者数が変動しやすい環境では、クラウドの柔軟さが活かされます。

判断時に確認したいポイント

どちらを選ぶか迷った際は、まず何を優先するのかを明確にすることが大切です。
コストを重視するのか、導入スピードを優先するのか、独自要件への対応を求めるのか、運用負担を抑えたいのかによって適した選択肢は変わります。

そのうえで、初期費用だけでなく、中長期の総コストも確認する必要があります。
オンプレミスの場合は、機器費用、保守費用、電気代、人件費、将来の更新費用まで含めて検討しなければなりません。
一方クラウドであれば、月額料金にくわえて、アカウント数の増加やストレージ使用量、各種オプション費用まで含めて考える必要があります。

第3の選択肢「ハイブリッドクラウド」

実際の現場では、オンプレミスかクラウドのどちらか一方に決めるのではなく、オンプレミス環境とクラウドを組み合わせて運用する「ハイブリッド構成」「ハイブリッドクラウド」という選択肢もあります。

たとえば、機密性の高い基幹データはオンプレミスで管理し、メールやグループウェア、営業支援ツールなどはクラウドを使う方法です。こうすれば、統制が必要な領域は自社で管理しながら、利便性や導入のしやすさが求められる領域ではクラウドを活用できます。

既存の資産を活かしながら、必要な領域から段階的に移行を進められるため、移行に伴うリスクも抑えやすくなるでしょう。

導入で失敗しないために押さえておきたい注意点

オンプレミスとクラウドは、どちらを選んでも、進め方を誤ると導入後の負担や後悔につながることがあります。
そこで最後に、導入後のトラブルや後悔を防ぐために、事前に押さえておきたい主な注意点を紹介します。

導入前に押さえておきたい注意点

  • 現状の課題を整理する
  • 判断基準を明確にする
  • セキュリティ要件を明確にする
  • 運用体制を事前に確認する
  • 段階的な導入を検討する

現状の課題を整理する

最初に取り組むべきなのは、何を解決したいのかを明確にすることです。
現行システムにどのような課題があるのか、コストなのか、性能なのか、運用負担なのかを整理しないまま選定を進めてしまうと、手段が目的化しやすくなります。

「クラウド化すること」自体が目的になると、本来解決したかった課題が置き去りになりかねません。遠回りに見えても、まずは現状の課題を整理することが重要です。

判断基準を明確にする

知名度の高さや初期費用の安さだけで導入形態を決めてしまうことも、導入後の失敗につながる要因の一つです。
よく知られたクラウドサービスであっても、自社の業務要件に合うとは限りません。また初期費用が低く見えても、長期的には運用コストが想定以上に膨らむこともあります。

導入時には目先のわかりやすい比較だけで判断するのではなく、自社の業務への適合性、中長期のコスト、運用負担まで含めて検討することが大切です。

セキュリティ要件を明確にする

導入を検討する際は、必要なセキュリティ水準を事前に明確にしておくことも重要です。どのデータをどこで管理するのか、誰がアクセスできるのかなどの運用ルールが曖昧なままだと、想定外のリスクにつながるおそれがあります。

特に、機密性の高い情報を扱う場合や業界特有の規制などがある場合は、利便性だけで判断せず、必要な統制をどのように実現するかまで整理しておくことが重要です。

運用体制を事前に確認する

システムは導入して終わりではなく、稼働後の保守・運用まで含めて考える必要があります。オンプレミスであれば、機器保守、障害対応、バックアップの確認、更新作業などを支える人材や体制が欠かせません。クラウドなら、権限管理やコスト監視、設定の見直し、契約更新などを誰が担うのかを決めておく必要があります。

特に、人材やノウハウが十分でないままオンプレミスを導入すると、運用が属人化したり、障害時の対応が遅れたりするおそれがあります。導入前の段階で、継続して運用できる体制があるかを確認しておくことが大切です。

段階的な導入を検討する

大規模なシステムの場合、一気に切り替えるとリスクが高まります。
業務への影響が大きく、問題が発生した際の切り戻しも難しくなりやすいためです。特に基幹システムや会計システムなどは、段階的に進める必要があります。

まずは周辺領域や一部の部門から導入し、運用しながら課題を洗い出しましょう。スモールスタートで進めることで、現場の理解も得やすく、リスクも抑えやすくなります。

オンプレミスとクラウドの違いを理解して自社に合った形態を選ぶことが大切

オンプレミスとクラウドは、それぞれ異なる強みと注意点があり、どちらが優れているかは、自社の目的や運用体制によって異なります。大切なのは、自社の課題や業務内容、セキュリティ要件、運用体制、今後の拡張性などを踏まえて、無理のない導入形態を選ぶことです。

システム選定では、機能やコストだけでなく、運用のしやすさやセキュリティ、サポート体制まで含めて判断することが重要です。
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著者情報 著者情報:ジャパンメディアシステム ジャパンメディアシステム

ジャパンメディアシステムは、企業のコミュニケーションを支えるビジュアルコミュニケーションシステム「LiveOn」を提供し、場所や時間に縛られない働き方の実現を目指しています。

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