導入事例

導入前の課題

山間地域に点在する集落。市民サービスセンターでの窓口対応には限界も

当市では人口の4割が65歳以上と高齢化が進み、山間地域に集落が点在しています。市町村合併が行われてからは、旧町村ごとに市民サービスセンターを設置し、本庁と各サービスセンターを内線でつないで窓口対応を行っていました。特に専門的な税金・福祉関係などのご相談は、内線電話で担当職員に確認したのち、再度折り返し回答する必要がありました。

この方法ではどうしても時間がかかる上、顔が見えないので情報が伝わりにくいという課題がありました。サービスセンターでは対応しきれない複雑な相談については、市民の皆さんに遠方から本庁舎へ出向いていただかなければなりません。さらに、新型コロナウイルスの流行で接触を避ける必要もあったため、リモートでの窓口対応も求められていました。

DX関連の交付金を活用し、遠隔相談窓口システムの導入へ

こうした課題を解決したいと考えていたところ、令和3年度に国が「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を創設。デジタルの力で地域の課題を解決する取り組みに、予算がつくことになりました。そこで当市も応募し、誰でも・いつでも・どこでも行政サービスを受けられる「遠隔相談窓口システム」を導入することになりました。

LiveOn選定の決め手

高いセキュリティとクリアな音声・映像が魅力

海外製品も含めて検討するなかで、「LiveOn Call」を選んだ決め手はいくつかありますが、まずはセキュリティ面の安全性です。「LiveOn」シリーズはオンプレミス型でクラウドではないため、個人情報を扱う業務が多いことから、非常に魅力的でした。すでに多くの自治体で導入実績があることも安心材料です。

また、事前のプレゼンで印象的だったのが、音声や映像が想像以上にクリアで、細部まで鮮明に映ることでした。市民の方が入力した書類の小さな文字まではっきり読み取れます。市民の方ではなく職員主体でカメラのズームや映像・音声の各種設定などが操作できることも重要なポイントでした。

細かなリクエストにも対応、柔軟性やサポート力を評価

導入前後に、JMSさんには色々な意見を聞いてもらいました。「高齢者の方でも見やすい画面表示にカスタムしたい」「個人情報などが映り込む背景をボカしたい」などのニーズにも対応していただき、非常に助かりました。他社のシステムは既成の製品を納品してそのまま使うしかない場合がほとんどで、JMSさんの丁寧なアフターフォローは大きな評価ポイントになりました。導入前には職員を対象とした説明会も開催し、実際に端末を使いながら学べたので分かりやすかったと思います。

導入後の効果・感想

シンプルな仕組みで利用者のほとんどが「また使いたい」

「LiveOn Call」は、市民サービスセンターからの呼び出しでボタンを押し、ヘッドセットを付けて応答するというシンプルな仕組みです。どの職員も操作に慣れるのが早く、「住民の方の表情を見ながら話ができるので、伝わっているかどうかが分かりやすい」と好評です。特にサービスセンターの職員にとっては、本庁に細かな相談ができるようになったことで、以前にも増して迅速かつ正確な情報がお伝えできるようになりました。

今のところ、ご利用のほとんどが60歳以上の高齢者です。アンケートを実施した結果、8割が「満足している、また使いたい」との回答でした。「これまでの内線電話よりも、ヘッドセットで話した方が聞き取りやすい」という声もあり、サービス向上につながったと実感しています。

LiveOnを活用した今後の事業展開など

さらなる利用促進、本庁での会議にも活用したい

これからも「LiveOn Call」の利用を促進していきたいと思います。より多くの方に使っていただけるよう、職員からも積極的なアプローチをとっているところです。

できれば端末を増やして、本庁でのオンライン会議にも活用したいと考えています。個人の端末で、会議室に移動せず自席から会議ができれば理想的です。今後も「LiveOn Call」を活用し、市民サービスの向上と業務の効率化を進めていきたいと思います。